| 夢浮橋の巻 |
法の師とたづぬる道をしるべにて思はぬ山に踏み惑ふかな |
第１６７回 |
2013/4/6 |
| 手習の巻 |
なき物に身をも人をも思ひつゝ捨てゝし世をぞ更に捨てつる |
第１６６回 |
2013/3/30 |
| 手習の巻 |
身を投げし涙の川の早き瀬をしがらみかけて誰かとゞめし |
第１６５回 |
2013/3/11 |
| 蜻蛉の巻 |
ありと見て手には取られず見れば又ゆくへも知らず消えし蜻蛉 |
第１６４回 |
2013/3/7 |
| 蜻蛉の巻 |
忍びねや君も泣くらむかひもなき死出の田長に心通はゞ |
第１６３回 |
2013/2/27 |
| 浮舟の巻 |
鐘の音の絶ゆる響きに音をそへて我が世尽きぬと君に伝へよ |
第１６２回 |
2013/2/12 |
| 浮舟の巻 |
浪越ゆる頃とも知らず末の松まつらんとのみ思ひけるかな |
第１６１回 |
2013/2/2 |
| 浮舟の巻 |
たち花の小嶋は色も変らじをこの浮舟ぞゆくへ知られぬ |
第１６０回 |
2013/1/29 |
| 浮舟の巻 |
宇治橋のながき契りは朽ちせじをあやぶむ方に心さわぐな |
第１５９回 |
2013/1/27 |
| 浮舟の巻 |
ながき世をたのめても猶悲しきはたゞ明日知らぬ命なりけり |
第１５８回 |
2012/3/5 |
| 東屋の巻 |
さしとむる葎やしげき東屋のあまり程ふる雨そゝぎかな |
第１５７回 |
2012/1/20 |
| 東屋の巻 |
ひたぶるに嬉しからまし世の中にあらぬ所と思はましかば |
第１５６回 |
2011/11/27 |
| 東屋の巻 |
みし人の形代ならば身に添へて恋しき瀬々の撫で物にせむ |
第１５５回 |
2011/9/27 |
| 宿木の巻 |
かほ鳥の聲も聞きしに通ふやと繁みをわけて今日ぞたづぬる |
第１５４回 |
2011/8/27 |
| 宿木の巻 |
宿りきと思ひ出でずば木の下の旅寝もいかに寂しからまし |
第１５３回 |
2011/8/13 |
| 宿木の巻 |
山里の松の蔭にもかくばかり身にしむ秋の風はなかりき |
第１５２回 |
2011/8/4 |
| 宿木の巻 |
けさの間の色にやめでむ露の消えぬにかゝる花と見る見る |
第１５１回 |
2011/7/23 |
| 宿木の巻 |
世の常の垣根に匂ふ花ならば心のまゝに折りて見ましを |
第１５０回 |
2011/6/6 |
| 早蕨の巻 |
袖ふれし梅はかはらぬ匂ひにて根ごめうつろふ宿や異なる |
第１４９回 |
2011/4/28 |
| 早蕨の巻 |
この春はたれにか見せむ亡き人のかたみにつめる峯のさわらび |
第１４８回 |
2011/3/11 |
| 總角の巻 |
かきくもり日影も見えぬ奥山に心をくらす頃にも有るかな |
第１４７回 |
2011/2/26 |
| 總角の巻 |
しるべせし我やかへりて惑ふべき心もゆかぬ明け暮れの道 |
第１４６回 |
2011/1/21 |
| 總角の巻 |
山姫の染むる心はわかねども移ろふかたや深きなるらん |
第１４５回 |
2010/12/15 |
| 總角の巻 |
山里のあはれ知らるゝ声々にとり集めたる朝ぼらけかな |
第１４４回 |
2010/11/28 |
| 總角の巻 |
あげまきに長き契りを結びこめおなじ所によりもあはなん |
第１４３回 |
2010/10/26 |
| 椎本の巻 |
たちよらむ蔭と頼みし椎が本むなしき床になりにけるかな |
第１４２回 |
2010/9/25 |
| 椎本の巻 |
涙のみきりふたがれる山里はまがきに鹿ぞもろ聲になく |
第１４１回 |
2010/8/27 |
| 椎本の巻 |
我なくて草の庵は荒れぬともこの一ことはかれじとぞ思ふ |
第１４０回 |
2010/8/19 |
| 椎本の巻 |
山桜匂ふあたりに尋ねきて同じかざしを折りてけるかな |
第１３９回 |
2010/8/16 |
| 橋姫の巻 |
命あらばそれとも見まし人知れぬ岩根にとめし松の生ひすゑ |
第１３８回 |
2010/8/5 |
| 橋姫の巻 |
橋姫の心をくみて高瀬さす棹のしづくに袖ぞぬれぬる |
第１３７回 |
2010/7/26 |
| 橋姫の巻 |
山おろしに堪へぬ木の葉の露よりもあやなくもろき我が涙かな |
第１３６回 |
2010/7/9 |
| 橋姫の巻 |
うち捨てゝつがひ去りにし水鳥のかりのこの世にたちおくれけむ |
第１３５回 |
2010/6/9 |
| 竹河の巻 |
竹河のはしうち出でし一ふしに深き心の底は知りきや |
第１３４回 |
2010/5/29 |
| 紅梅の巻 |
花の香に誘はれぬべき身なりせば風のたよりを過ぐさましやは |
第１３３回 |
2010/4/29 |
| 匂宮の巻 |
おぼつかな誰に問はましいかにして始めも果ても知らぬわが身ぞ |
第１３２回 |
2010/4/18 |
| 幻の巻 |
憂き世にはゆき消えなんと思ひつゝ思ひのほかになほぞ程ふる |
第１３１回 |
2010/3/26 |
| 御法の巻 |
のぼりにし雲井ながらもかへりみよ我秋はてぬ常ならぬ世に |
第１３０回 |
2010/3/16 |
| 御法の巻 |
おくと見る程ぞはかなきともすれば風にみだるゝ萩の上露 |
第１２９回 |
2010/3/2 |
| 夕霧の巻 |
のぼりにし峯の煙に立ちまじり思はぬかたになびかずもがな |
第１２８回 |
2010/2/12 |
| 夕霧の巻 |
里遠み小野の篠原分けてきて我もしかこそ聲を惜しまね |
第１２７回 |
2010/1/26 |
| 夕霧の巻 |
女郎花しをるゝ野辺をいづことて一夜ばかりの宿を借りけん |
第１２６回 |
2010/1/10 |
| 夕霧の巻 |
我のみや憂き世を知れるためしにて濡れそふ袖の名をくたすべき |
第１２５回 |
2009/12/26 |
| 夕霧の巻 |
山里のあはれを添ふる夕霧に立ち出でん空もなき心ちして |
第１２４回 |
2009/12/6 |
| 鈴蟲の巻 |
おほかたの秋をば憂しと知りにしをふり捨てがたきすゞ蟲の聲 |
第１２３回 |
2009/11/19 |
| 鈴蟲の巻 |
はちす葉をおなじうてなと契りおきて露のわかるゝけふぞかなしき |
第１２２回 |
2009/11/7 |
| 横笛の巻 |
横笛のしらべはことにかはらぬを空しくなりし音こそつきせね |
第１２１回 |
2009/10/25 |
| 横笛の巻 |
世をわかれ入りなむ道はおくるともおなじところを君も尋ねよ |
第１２０回 |
2009/10/10 |
| 柏木の巻 |
かしは木に葉守の神はまさずとも人ならすべき宿のしづえか |
第１１９回 |
2009/9/26 |
| 柏木の巻 |
たが世にか種をまきしと人問はゞいかゞ岩根の松は答へん |
第１１８回 |
2009/9/19 |
| 柏木の巻 |
行くへなき空の煙となりぬとも思ふあたりを立ちは離れじ |
第１１７回 |
2009/9/10 |
| 柏木の巻 |
いまはとて燃えん煙もむすぼゝれたえぬ思ひのなほや残らん |
第１１６回 |
2009/8/26 |
| 若菜下の巻 |
消えとまる程やは経べきたまさかに蓮の露のかゝる許を |
第１１５回 |
2009/8/20 |
| 若菜下の巻 |
我が身こそあらぬさまなれそれながら空おぼれする君は君なり |
第１１４回 |
2009/8/10 |
| 若菜下の巻 |
もろかづら落葉を何にひろひけん名はむつましきかざしなれども |
第１１３回 |
2009/7/28 |
| 若菜下の巻 |
くやしくぞつみをかしけるあふひ草神の許せるかざしならぬに |
第１１２回 |
2009/7/23 |
| 若菜下の巻 |
おきて行く空も知られぬ明けぐれにいづくの露のかゝる袖なり |
第１１１回 |
2009/7/11 |
| 若菜下の巻 |
たれか又心を知りて住吉の神世を経たる松に言問ふ |
第１１０回 |
2009/6/27 |
| 若菜下の巻 |
戀わぶる人の形見と手馴らせばなれよ何とて鳴くねなるらん |
第１０９回 |
2009/6/20 |
| 若菜上の巻 |
よそに見て折らぬなげきは繁れども名残恋しき花の夕影 |
第１０８回 |
2009/6/2 |
| 若菜上の巻 |
身にちかく秋や来ぬらん見るまゝに青葉の山も移ろひにけり |
第１０７回 |
2009/4/26 |
| 若菜上の巻 |
中道を隔つるほどはなけれども心みだるゝ今朝のあは雪 |
第１０６回 |
2009/4/11 |
| 若菜上の巻 |
目にちかくうつればかはる世の中をゆく末とほく頼みけるかな |
第１０５回 |
2009/3/31 |
| 若菜上の巻 |
さしつぎにみる物にもがな萬世をつげの小櫛も神さぶるまで |
第１０４回 |
2009/3/22 |
| 藤裏葉の巻 |
色まさるまがきの菊もをりをりに袖うちかけし秋を戀ふらし |
第１０３回 |
2009/3/13 |
| 藤裏葉の巻 |
我が宿の藤の色こきたそがれにたづねやは来ぬ春の名残を |
第１０２回 |
2009/3/6 |
| 梅枝の巻 |
かぎりとて忘れがたきをわするゝもこや世になびく心なるらん |
第１０１回 |
2009/2/26 |
| 梅枝の巻 |
花の香は散りにし枝にとまらねど移らん袖にあさく染まめや |
第１００回 |
2009/2/20 |
| 真木柱の巻 |
かきたれてのどけき頃の春雨にふるさと人をいかにしのぶや |
第９９回 |
2009/2/15 |
| 真木柱の巻 |
今はとて宿離れぬとも馴れきつる真木の柱は我を忘るな |
第９８回 |
2009/2/6 |
| 真木柱の巻 |
心さへ空にみだれし雪もよにひとりさえつる片敷きの袖 |
第９７回 |
2009/1/30 |
| 真木柱の巻 |
おりたちて汲みはみねども渡り川人の瀬とはた契らざりしを |
第９６回 |
2009/1/23 |
| 藤袴の巻 |
心もて日影にむかふあふひだに朝おく霜をおのれやは消つ |
第９５回 |
2009/1/17 |
| 藤袴の巻 |
同じ野の露にやつるゝ藤袴あはれはかけよかごとばかりも |
第９４回 |
2009/1/11 |
| 行幸の巻 |
ふたかたに言ひもてゆけば玉くしげわが身離れぬかけごなりけり |
第９３回 |
2009/1/4 |
| 行幸の巻 |
雪ふかき小塩の山にたつ雉のふるき跡をも今日は尋ねよ |
第９２回 |
2008/12/26 |
| 野分の巻 |
風さわぎむら雲まよふ夕べにもわするゝ間なくわすられぬ君 |
第９１回 |
2008/12/23 |
| 野分の巻 |
おほかたに荻の葉過ぐる風の音も憂き身ひとつにしむ心ちして |
第９０回 |
2008/12/12 |
| 篝火の巻 |
かゞり火にたちそふ戀の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけり |
第８９回 |
2008/12/5 |
| 常夏の巻 |
草わかみ常陸の浦のいかゞ崎いかであひみむ田子の浦波 |
第８８回 |
2008/11/29 |
| 常夏の巻 |
撫子のとこなつかしき色を見ばもとの垣根を人やたづねん |
第８７回 |
2008/11/23 |
| 蛍の巻 |
ふるきあとを尋ぬれどげになかりけりこの世にかゝるおやの心は |
第８６回 |
2008/11/15 |
| 蛍の巻 |
聲はせで身をのみこがす螢こそいふよりまさる思ひなるらめ |
第８５回 |
2008/11/7 |
| 胡蝶の巻 |
たち花の薫りし袖をよそふれば変れる身とも思ほえぬ哉 |
第８４回 |
2008/11/1 |
| 胡蝶の巻 |
紫のゆゑに心をしめたれば淵に身なげん名やは惜しけき |
第８３回 |
2008/10/24 |
| 初音の巻 |
とし月をまつにひかれてふる人に今日うぐひすの初音きかせよ |
第８２回 |
2008/10/18 |
| 初音の巻 |
うす氷とけぬる池のかゞみには世にたぐひなき影ぞならべる |
第８１回 |
2008/10/11 |
| 玉鬘の巻 |
戀ひわたる身はそれなれど玉かづらいかなるすぢをたづねきつらん |
第８０回 |
2008/10/4 |
| 玉鬘の巻 |
しらずともたづねて知らむ三島江に生ふる三稜（みくり）のすぢは絶えじを |
第７９回 |
2008/9/27 |
| 玉鬘の巻 |
初瀬川はやくのことは知らねども今日の逢うふ瀬に身さへなかれぬ |
第７８回 |
2008/9/20 |
| 玉鬘の巻 |
君にもし心たがはゞまつらなる鏡の神をかけてちかはん |
第７７回 |
2008/9/14 |
| 乙女の巻 |
風にちるもみぢはかるし春の色を岩根の松にかけてこそ見め |
第７６回 |
2008/9/5 |
| 乙女の巻 |
日かげにもしるかりけめや乙女子があまの羽袖にかけし心は |
第７５回 |
2008/8/20 |
| 乙女の巻 |
色いろに身の憂きほどの知らるゝはいかに染めける中の衣ぞ |
第７４回 |
2008/8/13 |
| 乙女の巻 |
秋はてゝさ夜なかに友呼びわたる雁がねにうたて吹きそふ荻のうは風 |
第７３回 |
2008/8/6 |
| 朝顔の巻 |
秋はてゝこほりとぢ岩間の水はゆきなやみ空すむ月の影ぞながるゝ |
第７２回 |
2008/7/31 |
| 朝顔の巻 |
秋はてゝ霧のまがきにむすぼゝれあるかなきかにうつるあさがほ |
第７１回 |
2008/7/25 |
| 薄雲の巻 |
浅からぬしたの思ひをしらねばやなほかゞり火の影はさわげる |
第７０回 |
2008/7/18 |
| 薄雲の巻 |
入日さす峯にたなびく薄雲は物おもふ袖に色やまがへる |
第６９回 |
2008/7/9 |
| 薄雲の巻 |
雪ふかみ深山の道は霽れずともなほふみ通へ跡たえずして |
第６８回 |
2008/7/4 |
| 松風の巻 |
契りしに変らぬことのしらべにて絶えぬ心のほどは知りきや |
第６７回 |
2008/6/29 |
| 松風の巻 |
行く先をはるかに祈る別れ路に堪へぬは老いの涙なりけり |
第６６回 |
2008/6/25 |
| 絵合の巻 |
ひとりゐてながめしよりは海士のすむかたを書きてぞみるべかりける |
第６５回 |
2008/6/11 |
| 関屋の巻 |
逢坂の関やいかなる関なればしげきなげきのなかをわくらん |
第６４回 |
2008/5/24 |
| 蓬生の巻 |
尋ねても我こそとはめ道もなく深き蓬のもとの心を |
第６３回 |
2008/5/10 |
| 蓬生の巻 |
たゆまじき筋を頼みし玉かづら思ひのはかにかけはなれぬる |
第６２回 |
2008/5/2 |
| 澪標の巻 |
降りみだれひまなき空になき人のあまかけるらむ宿ぞ悲しき |
第６１回 |
2008/4/26 |
| 澪標の巻 |
みをつくし戀ふるしるしにこゝまでもめぐり逢ひけるえには深しな |
第６０回 |
2008/4/20 |
| 澪標の巻 |
おもふどちなびくかたにはあらずとも我ぞ煙にさきだちなまし |
第５９回 |
2008/4/12 |
| 澪標の巻 |
いつしかも袖うちかけむをとめ子が世をへて撫づる岩のおひさき |
第５８回 |
2008/4/2 |
| 明石の巻 |
わたつ海に沈みうらぶれひるの子の足たゝざりし年は経にけり
|
第５７回 |
2008/3/30 |
| 明石の巻 |
なほざりに頼めおくなる一言をつきせぬ音にやかけて忍ばむ
|
第５６回 |
2008/3/22 |
| 明石の巻 |
むつごとを語りあはせむ人もがな憂き世の夢もなかばさむやと
|
第５５回 |
2008/3/12 |
| 明石の巻 |
ひとり寝は君も知りぬやつれづれと思ひあかしの浦さびしさを
|
第５４回 |
2008/3/7 |
| 明石の巻 |
うみにます神のたすけにかゝらずば潮のやほあひにさすらへなまし
|
第５３回 |
2008/2/29 |
| 須磨の巻 |
故郷をいづれの春か行きて見むうらやましきはかへるかりがね
|
第５２回 |
2008/2/26 |
| 須磨の巻 |
恋ひわびてなく音にまがふ浦浪はおもふかたより風や吹くらむ
|
第５１回 |
2008/2/19 |
| 須磨の巻 |
松島のあまのとま屋もいかならむすまの浦人しほたるゝころ
|
第５０回 |
2008/2/12 |
| 須磨の巻 |
みしはなくあるは悲しき世のはてを背きしかひもなくなくぞふる
|
第４９回 |
2008/2/7 |
| 須磨の巻 |
鳥部山もえし煙もまがふやとあまのしほやく浦みにぞゆく |
第４８回 |
2008/1/29 |
| 花散里の巻 |
橘の香をなつかしみ郭公花散る里をたづねてぞとふ |
第４７回 |
2008/1/25 |
| 賢木の巻 |
月のすむ雲井をかけて慕ふともこのよの闇になほやまどはむ |
第４６回 |
2008/1/21 |
| 賢木の巻 |
九重に霧やへだつる雲の上の月をはるかに思ひやるかな |
第４５回 |
2008/1/17 |
| 賢木の巻 |
浅茅生の露のやどりに君をおきて四方の嵐ぞしづ心なき |
第４４回 |
2008/1/14 |
| 賢木の巻 |
逢ふ事の難きを今日にかぎらずばいま幾世をかなげきつゝ経む |
第４３回 |
2008/1/9 |
| 賢木の巻 |
心からかたがた袖をぬらすかなあくと教ふる聲につけても |
第４２回 |
2008/1/2 |
| 賢木の巻 |
あか月の別れはいつも露けきにこは世に知らぬ秋の空かな |
第４１回 |
2007/12/26 |
| 賢木の巻 |
神垣はしるしの杉もなき物をいかにまがへて折れる榊ぞ |
第４０回 |
2007/12/21 |
| 葵の巻 |
あまた年今日あらためし色ごろもきては涙ぞふる心地する |
第３９回 |
2007/12/17 |
| 葵の巻 |
あやなくも隔てけるかな夜を重ねさすがになれし中の衣を |
第３８回 |
2007/12/13 |
| 葵の巻 |
いまも見てなかなか袖をくたすかな垣ほ荒れにし大和撫子
|
第３７回 |
2007/12/8 |
| 葵の巻 |
人の世をあはれときくも露けきにおくるゝ袖を思ひこそやれ
|
第３６回 |
2007/12/6 |
| 葵の巻 |
のぼりぬる煙はそれとわかねどもなべて雲井のあはれなるかな
|
第３５回 |
2007/11/29 |
| 葵の巻 |
嘆きわび空にみだるゝ我がたまを結びとゞめよしたがひのつま
|
第３４回 |
2007/11/27 |
| 葵の巻 |
袖ぬるゝこひぢとかつは知りながらおりたつ田子のみづからぞ憂き
|
第３３回 |
2007/11/22 |
| 葵の巻 |
はかりなき千尋の底のみるぶさの生ひゆく末はわれのみぞ見ん
|
第３２回 |
2007/11/18 |
| 葵の巻 |
影をのみみたらし川のつれなきに身のうきほどぞいとゞ知らるゝ
|
第３１回 |
2007/11/13 |
| 花宴の巻 |
心いるかたならませば弓はりの月なき空にまよはましやは
|
第３０回 |
2007/11/5 |
| 花宴の巻 |
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば問はじとや思ふ
|
第２９回 |
2007/11/1 |
| 花宴の巻 |
深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろげならぬ契りとぞ思ふ |
第２８回 |
2007/10/29
|
| 紅葉賀の巻 |
盡きもせぬ心の闇にくるゝかな雲井に人を見るにつけても |
第２７回 |
2007/10/25
|
| 紅葉賀の巻 |
君し来ばたなれの駒に刈り飼はんさかり過ぎたる下葉なりとも |
第２６回 |
2007/10/21 |
| 紅葉賀の巻 |
袖ぬるゝ露のゆかりと思ふにもなほうとまれぬやまとなでしこ |
第２５回 |
2007/10/16 |
| 紅葉賀の巻 |
いかさまに昔むすべる契りにてこの世にかゝる中のへだてぞ |
第２４回 |
2007/10/14 |
| 紅葉賀の巻 |
唐人の袖ふることは遠けれど起ちゐにつけてあはれとは見き |
第２３回 |
2007/10/10 |
| 末摘花の巻 |
から衣君がこゝろのつらければ袂はかくぞそぼちつゝのみ |
第２２回 |
2007/10/8 |
| 末摘花の巻 |
朝日さす軒のたるひは解けながらなどかつららのむすぼゝるらむ |
第２１回 |
2007/10/2 |
| 末摘花の巻 |
いくそたび君がしゞまに負けぬらむものな言いひそといはぬたのみに |
第２０回 |
2007/9/23 |
| 若紫の巻 |
ねは見ねどあはれとぞ思ふ武蔵野の露わけわぶる草のゆかりを |
第１９回 |
2007/9/12 |
| 若紫の巻 |
朝ぼらけ霧り立つ空のまよひにも行き過ぎがたきいもが門かな |
第１８回 |
2007/8/19 |
| 若紫の巻 |
いはけなき田鶴の一聲聞きしよりあしまになづむ舟ぞえならぬ |
第１７回 |
2007/7/21 |
| 若紫の巻 |
初草の若葉の上を見つるより旅寝の袖も露ぞかはかぬ |
第１６回 |
2007/7/10 |
| 若紫の巻 |
おひ立たむありかも知らぬ若草をおくらす露ぞ消えむそらなき |
第１５回 |
2007/7/2 |
| 夕顔の巻 |
過ぎにしも今日別るゝも二道に行くかた知らぬ秋の暮れかな |
第１４回 |
2007/6/9 |
| 夕顔の巻 |
見し人のけぶりを雲と眺むれば夕の空もむつましきかな |
第１３回 |
2007/5/20 |
| 夕顔の巻 |
山の端の心も知らで行く月はうはの空にてかげや絶えなん |
第１２回 |
2007/5/3 |
| 夕顔の巻 |
咲く花に移るてふ名はつゝめども折らで過ぎうきけさの朝顔 |
第１１回 |
2007/4/14 |
夕顔の巻 |
心あてにそれかとぞ見る白露のひかりそへたる夕顔の花 |
第１０回 |
2007/4/9 |
| 空蝉の巻 |
空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびに濡るる袖かな |
第９回 |
2007/3/29 |
| 空蝉の巻 |
空蝉の身をかへてける木の下に猶人がらのなつかしきかな
| 第８回 |
2007/3/21 |
| 帚木の巻 |
帚木の心を知らで園原の道にあやなくまどひぬるかな |
第７回 |
2007/3/17 |
| 帚木の巻 |
つれなきを恨みも果てぬしのゝめにとりあへぬまで驚かすらん |
第６回 |
2007/3/11 |
| 桐壺の巻 |
いときなき初もとゆひに長き世をちぎる心は結びこめつや |
第５回 |
2007/3/4 |
| 桐壺の巻 |
たづね行くまぼろしもがな傳にても魂のありかをそことしるべく |
第４回 |
2007/2/24 |
| 桐壺の巻 |
鈴蟲のこゑのかぎりを盡くしてもながき夜あかずふるなみだかな |
第３回 |
2007/2/17 |
| 桐壺の巻 |
宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ> |
第２回 |
2007/2/13 |
| 桐壺の巻 |
かぎりとて別るゝ道のかなしきにいかまほしきは命なりけり |
第１回 |
2007/2/10 |
源 氏 物 語
巻名・歌索引